歯 ホワイトニング

歯のホワイトニングについて

近年、生活上の様々な場面で、歯の白さが注目されています。仕事や就職活動において好印象を演出したい、挙式前に歯を白くしたいといった審美的欲求だけでなく、年寄りに見られないように歯の黄ばみを取って欲しいといった願望や、ずっと歯の色で悩んできた、なんとか人並みに白くしたいといった切実な悩みを抱えている人もいます。

 

歯の色というのは、肌の色のように個人差があり、人種・歯種・年齢によっても異なります。例えば、アジア系の人の歯は、黄色味を帯びているのに対して、欧米人は灰白色系統の色をしています。切歯と比較すると、犬歯は元々色味が強く感じられることが多く、また加齢によって歯の色は濃く変化するものです。1本の歯でもあっても、全て均一ではありません。

 

このように歯の色は、実に多様ではあるのですが、歯を白くしたいというニーズは、人種や世代間を越えて共通のものです。結果、歯の「ホワイトニング」は広く認知される治療になったといえるでしょう。ホワイトニングを歯を白くする処置と捉えると、広義のホワイトニングには、PTC、漂白、歯のコーティング、レジンダイレクトボンディング、ラミネートペニア、セラミック、ジルコニアなどの審美的歯冠補綴装置まで含まれます。

 

このうち薬剤を用いることによって歯質に手を加えずに、歯の漂白をはかる方法を以前は他と区別してブリーチングと呼ぶことも多かったのですが、現在では、通常「ホワイトニング」と言えば、この薬剤による漂白処置を指すのが一般的です。ホワイトニングには、院内で歯科医師が行うオフィスホワイトニングと、歯科医師の管理下に患者自身がマウスピースを用いて行うホームホワイトニングがあります。

 

オフィスホワイトニングでは、主に20〜35%の高濃度の過酸化水素が使用され、1回約30分〜1時間のチェアタイムで数回施術するのが一般的です。オフィスホワイトニングでは、光源が使用されることが多く、専用光源との包括販売となっている製品もあります。薬剤の中には光源との相性を持つものがあり、オフィスホワイトニングを行ううえで、光の知識は欠かせません。

 

一方、ホームホワイトニングでは、10〜15%の過酸化尿素を含んでいるものが多く、過酸化尿素は、使用過程において徐々に過酸化水素に分解されます。国内承認を受けている製品はすべて10%過酸化尿素であり、1日2時間の使用で約2週間の継続使用が基本となっています。

 

オフィスホワイトニングにもそれぞれメリット、デメリットがあり、2つの方法の組み合わせによって、デュアルホワイトニングが選択されるケースが圧倒的に多いのが実情です。

 

ホワイトニングにおける漂白効果の正体は、過酸化水素から発生する活性酸素です。この活性酸素が、歯に付着した有機質汚れに作用し、脱色、分解が起こるのですが、石灰化度や、表面症状といった歯質側の条件によって白さの発現は異なってきます。

 

例えば、加齢に伴い、象牙質の密度、厚みが増して、エナメル質では石灰化が進み、透明化していきますが、亀裂なども増えてきます。一般に石灰化の進行は薬剤の浸透を妨げますが、逆に亀裂の増加は薬剤の通り道にもなります。

 

また、現在の歯の色は、食事や喫煙などにより外因性の着色汚れに影響するものか、それともテトラサイクリン系薬剤に代表されるような、内因性の変色によるものかは、ホワイトニング剤の選択、適用方法を判断するうえで重要な要素となります。

 

さらには、ホワイトニングはしてみたいけれど知覚過敏になってしまうのは不安…という声も少なくありません。オフィスホワイトニングでは50%に、ホームホワイトニングでは30〜50%になんらかの知覚過敏症状が発症すると言われています。知覚過敏は、薬剤の刺激が象牙質まで達することで起こると言われています。

 

そのため亀裂の多い歯や、エナメル質の薄い歯では、症状にも応じた刺激が強くなるため、歯質の状況や年齢などによっては使用するホワイトニング剤や、その適用方法を考慮する必要があります。

 

ただし、最近では、ホワイトニング剤にあらかじめ知覚過敏抑制剤が添加されていることが多く、使用方法の厳守徹底などにより、ある程度は抑えることが可能となっています。